『坂の上の家』インタビュー②新田千佳

SAF+PRODUCE #3 『坂の上の家』の出演者にインタビューしました。

第二回目は新田千佳です。


―自己紹介をしてください。

おはようございます。はじめまして。

新田 千佳(にったちか)です。

憧れている人は父で、大好きな動物は犬です。

声のお仕事に憧れて演劇を学ぶことを決め、日本大学芸術学部の演技コースにて4年間を過ごしました。

今は、声優のお仕事について学ぶべく専門学校へ通っております。

どうぞ、よろしくお願いいたします。


―シアターグリーン学生芸術祭(SAF)の思い出はありますか?

2017年のSAF Vol.11に『すくすくのびのびしくしくよぼよぼ』という作品で参加し、俳優賞を頂きました。

赤ちゃん役を中心として、他にも老人や等身大の役など幅広く演じさせていただき、やり甲斐のある作品でした。

思い出、ということで。

赤ちゃんの役をしている時は「うぎゃー」という泣き声でしか表現が出来なかったので、沢山の赤ちゃんの動画やドラマを観て研究しました。

本番を終えアンケートを読んでいると、私の赤ちゃんの泣き声を聞いて「出産時を思い出した」「我が子を思い浮かべました」といったコメントが目に入り、とても感動したのを覚えています。

当時20歳だった私が、生まれて数ヶ月の赤ん坊を演じ、そこに本物を一瞬でも感じてくださったお客様がいた事に嬉しさを感じました。

演劇とは本当に素敵な存在だなあと再確認したのが1番の思い出です。


―『坂の上の家』についての感想を教えてください。

変わらないもの、日常、というのは本当に普通なもので退屈に過ごしてしまいがちだけれど、とてもかけがえの無い1日1日なのだと思いました。

その時はきっと何も思わないものも、振り返ってみればどれもきらきらとした大切な思い出へと変わっているのです。

母がご飯が何が良いかと私に問いかけてくる毎日や、父が帰ってきてどちらが先にお風呂に入るかを言い合ったあの日々をよく思い出します。

忘れがちで、見えなくなりがちの大事な日常を、もう一度見返せるようなそんな作品だと私は思いました。


―自分が演じる役柄についてはどうですか?

私が演じるのは、本上直子という2人の兄を持つ女の子です。

私には兄がいないので、直子として兄2人と過ごす日常はとても新鮮だなあと楽しく演らせていただいております。

しっかり者だったり、おっちょこちょいだったり、愛らしかったり、彼女には色んな一面があります。それを知るたびに私は彼女をどんどん好きになっていっています。

もっともっと本番までに本上直子を知れたらなあと思っています。

あとは長崎弁が難しく苦戦中です。

それから会話劇が中心のこの様な作品を演じるのはなかなか無いことなので初めは不安がいっぱいでした。

ですが、毎回の稽古が新しい発見ばかりでとてもわくわくしています。

直子とたくさん向き合うことで、新しい自分に出会えている気がします。


―新田さんにとって「家族」とは?

私にとって家族とは、一番笑顔でいてほしい人たちです。

父と母は太陽みたいな人たちです。いつも私を全力で支えてくれます。怒ってくれて、喜んでくれます。私はその太陽を受けてのびのび育ちました。

私もそうなりたいと思う、憧れの存在です。

演劇において作品を作る上での役者同士もスタッフの方々も「家族」の様な関係だと思っています。

あたたかい、場所ですね。


―最後にお客様にメッセージをどうぞ。

この作品は、観た後どんな気持ちになるもの?と聞かれたら、お答えすることは難しいと感じます。

それは人それぞれが持っている、家族との思い出や、乗り越えてきたものによって、変わると思うからです。

前向きになる人もいれば、立ち止まってみようと思う人もいるかもしれないし、振り返ったまま暫く考える人もいるかもしれません。

ですが、きっと、何かを見つけるきっかけになる作品であることは確かです。それが小さいか大きいかは、わかりませんが。

この作品をより良い形でお客様方に観ていただけるよう、素敵なものにできるよう、全力で頑張りたいと思います。

是非、観ていただけたら嬉しいです。


―ありがとうございました。

SAF+

シアターグリーン学生芸術祭(SAF)に参加した学生を中心に同世代の表現者達が集まり、互いに多方面において交流・扶助しながら舞台芸術活動、その他多岐に渡る企画を推進していきます。